2009/04/15

適性診断 その9

どのような方途を,わたしたちは,タレントを持った若い選手の選抜のときに歩むべきなのでしょうか?

わたしたちは,タレントの選別と選抜のカギを,科学的な基礎をもった特許というような意味で期待することに警戒しなくてはなりません.手っ取り早く,高いレベルのスポーツパフォーマンスに転化するような、有効な活動による選別、選抜、促進の二三の例では、指導を虚偽に導くような面もみられました。つまり、タレントを巻き尺だけで捜し出すことで十分である、というような虚偽です。
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これが主要な方法であると宣言されるようなところではどこでも、タレント選抜の可能性が拡大されることはなく、著しくせまくかぎられてしまうのです。
したがって、次の点に注意をうながしたいと思います。本セミナーのテーマは、けっして図式的教条的に受け取ってはならず、むしろ、主要な関心事でもありますが、各連盟や各県ごとに、創造的に作り替え、各条件に適合したように応用するということが重要なのです。わたしたちの研究にとって、基本線となることは、社会全体の関心と同調し、実践のなかで正しいと証明されたものを尊重するということです。つまり、ジュニア競技スポーツの生命線の基礎は、いろいろな青少年スポーツです。青少年スポーツの基礎的な関心点は、それが、競技スポーツの認識からより強くプラスの影響うけ、個人的な競技努力からも浸透していくことです。それとともに、長期的にみると、スポーツ活動のなかで、青少年がしっかりとしたタレント選抜をうけることができ、競技スポーツトレーニングをより高い出力レベルから受けることのできるような前提が改善されます。
したがって、ここで、二三の問題について詳しくみたいと思います。それは、選別と選抜の有効な構築の問題に関する論議のなかで、重要とされた問題であり、現在もそうだとされている問題です。
問題は次のような疑問から出てきているところのものです。各連盟の選抜システム、あるいは、ドイツ体操スポーツ連盟の全体システム、一部は、各県の選抜システムが、優先されるべきかどうか、ということです。
答えは簡単です。選抜システムは、我が国の競技スポーツ全体の関心事を考慮したものではなくてはなりません。このシステムには、各連盟の興味と県の興味も含まれています。各連盟の興味が尊重されるとすると、それぞれの場合に、各連盟の中央の興味が問題で、それは、全体システムと関係したものとなります。とはいえ、この場合、州を、責任ある指導レベルと見なし、すべてが基本的に実現するとすれば、ここでも、全体の関心は、パフォーマンスセンタースポーツクラブと青少年スポーツ学校の中央によって作られた構造に導かれつつ、各連盟の興味関心と対峙することになります。
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多様な興味が中央の計画のなかで指導的にコオーディネイトされるのであり、その計画においては、我が国の競技スポーツの関心にもとづいて、部分的な関心が、できるだけ同調されているのです。この問題は、最初に解決されており、今後の研究のなかでさらに改善されていくものです。わたしたちはとはいえさらなる疑問にも考慮しなくてはなりません。わたしたちは、水泳のための全国的な選別を始めるという要求を理論的により明確にしたいとおもいます。その場合、次の点が熟慮されなくてはなりません。ドイツ水泳連盟の青少年グループプログラムは、当該の場所で一年中トレーニングできるという条件が水泳に対してすでに保証されているということを前提にしているということです。つまり、こうした具体的な事例では、物的な条件によって併せて考慮しておかなくていけない限界があるということです。これはしかし、連盟によっては一年クラスの選別と選抜ができないとはいえ、水泳のタレントを見放してしまうというような、一部の連盟の見解に対する回答であります。さらなる問題は、各連盟間の活動を協調したものとし、各連盟の興味関心を保証する、という要求です。これは、中央のスポーツ指導部や各州の課題です。各連盟には、もっとも進歩した連盟が後退することを期待するような、そうした考えをもってほしくはありません。タレントをもった選手の、選別、選抜、促進の、競技スポーツに対して向上させるべき質は、先導者のイニシアティブを求めています。それは、平均値への横並びによってはけっして達成できるものではありません。わたしたちの全システムは、もっとも進歩した部分の経験に基づいています。各連盟は、この経験を自分のものとし、その内容的なアドバンテージをもとにして、全システムに貢献できなくてはならないのです.わたしたちの全システムの枠内で、現在、各連盟のなかで、同じよさの成果があがっていないとすれば、原因は、二三の連盟が他の連盟にタレントを放逐しているということにはなくて、むしろ、二三の連盟指導部やその科学センターが、まだ、明確なイメージや表象を発展させるにいたっていないということにあり、そしてそれが明確になっていても、そのイメージを、その関係部署に責任をもって指導することによって転換することに対してあまり努力をはらっていない、とういうことにあるのです。そうしたイニシアティブにとって、現在、主観的な限界のほうが客観的な限界よりも大きなものとなっているのです.

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現在すでに,トレーニングセンターシステムによって,そうした広範な枠組みが手元にあり,それは,オリンピック種目すべての要求を平均して考えにいれたもので,この枠組みを質的に飛躍させようとする場合には,さらに充実させることのできる枠組みです.

もう一つの問題は,選別と選抜のタイミングをはかるという問題です.一般的な傾向は学齢期の最初に目標をおいています.この要求についてもう少し考えてみましょう.水泳,体操競技,フィギュアスケートを,比較的早期に最高パフォーマンス年齢に達する種目と考えれば,他のスポーツ連盟と,選別と選抜のための年齢という点,そして,選抜のための基準という点で,矛盾が出てきてしまいます.とくに,第一学年ですばらしい意欲をもっている子供にも認められないようなメルクマールが狙われています.多くは,トレーニングによってはまったく,あるいはほとんど影響を受けないような形態/形態上のメルクマールがそれです.同じスポーツ連盟が,早期の専門化が,タレントを間違って選抜したり育成したりすることの原因でないのかのどうか,という点について,三回の青少年スパルタキアードの評価のなかで,繰り返し疑問を投げかけています.
とはいえ,子供のときに,選抜と選別をできるだけ狭くおさえておけばおくほど,もっとも適性のある子供をトレーニングセンターに組み入れる確率も小さくなってしまします.学齢期のはじめに,できるだけすべての子供を把握し,それによって,できるだけ土台を広くするという考え方は,実践のなかでは受け入れられていないのです.タレント選抜のための土台を広げるということではなくて,わたしたちは,それを相当の範囲で狭めてしまっているのです.スポーツ政策的な観点からすると,さらに問題があります.1964年,ドイツ体操スポーツ連盟の題12回大会で,ジュニアの発達のシステムの構築と,青少年スパルタキアードが基礎づけられました.そのために,とくに,当時の方法と,当時の,青少年スポーツの要求レベルにもとづいて,競技スポーツ,種目ごとのレベル,青少年世代の身体的なパフォーマンス能力への社会的な要求,に対して,確実な発展はあまりえることができませんでした.こうした認識がその前提にあったのです.それ以降,競技スポーツのジュニア選手の選別と選抜全体を,青少年スポーツの全体システムとは完璧に切り離して組織するというような奨励/促進の要求に応じたときに,事態はプラスに転じはじめました.そして,私たちは各種目の進展状況を問題にするような状態を,こうした手続きによって新たに作り上げたのです.その端緒的な例を挙げておきましょう.

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ドイツ水泳連盟とドイツ体操連盟は,タレント選抜と促進という点で二三の成果をすでに上げています.現在,ジュニア競技スポーツ選手の全体は,トレーニングセンターと青少年スポーツ学校でだけ育成されています.同時に,次のような事態もうまれています.二つの連盟では,子ども以外では,競技スポーツの促進制度とならんで,種目の発達は認められないということです.この発達をこのまま放置しておくと,パフォーマンスセンターをもった種目だけになってしまうような時期がかならず到来することになります.
根本的に,選別と選抜を子どもの早い時期にまで拡張するという要求の背後には,暗黙の傾向があります.つまり,競技スポーツに対する青少年スポーツの発達への無関心という傾向です.むしろ,この指摘は,多くの人にとっては,極端かもしれません.わたしたちは,この結論を明確に指摘しなくてはなりませんし,次のことは容認することができません.つまり,スポーツジュニアの選別,選抜,促進の問題は,社会全体の興味とは切り離して考えたり論じたりすること,そして,のぞむとのぞまざるとに関係なく,1968年9月20日の東ドイツ国会決議でしめされ,そこから導き出された,1969年の第四回ドイツ体操スポーツ連盟大会によって明確にされた基本線に沿わないということ,です.タレントの認知,選抜,促進の複合体は,その多層性という点で,非常に複雑な問題であり,その科学化という点で,最初の一歩をまだなお踏み出すことのできていない問題なのです.したがって,各種目の観点からとか,あるいは,あれこれの問題の解釈のときに,異なる言説がでてくることは十分に考えられることです.とはいえ,我が国のスポーツ政策の基本線という点で,わたしたちは,グループ的な興味が存在しているのではなくて,むしろ,科学的な分析にもとづいた,社会的な発達と同調した統一的な立場が存在しているのです.わたしたちはそれを,全体としても,また,各集団,あるいは,わたしたちの一人一人がさらなる研究のなかで考慮しておかなくてはならないのです.また,他の視点からも,わたしたちは,選抜システムの構築のときに,一面的な定位にならないように気をつけなくてはなりません.

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わたしたちのジュニア発達システムは,ほとんどすべての種目のなかで,各促進段階での構造によって主に,児童期を狙う,ということを必然とせざるをえなくなっています.こうした道をへて,わたしたちは,大成功をおさめなくてはなりません.とはいえ,たとえば,子どものスポーツがまった発達していない国も少なくありませんし,そのなかでも,いろいろな種目で非常に効率的な活動を展開し,部分的にはわたしたちよりもよりよい成果を上げている国もすくなくありません.これらの国々は,青少年領域,高齢者領域のなかで,わたしたちよりも長所をもっており,それに対して,我が国の二三のスポーツ連盟はもはや興味をしめさなかったり,青少年がパフォーマンスセンターにまったく参加していない,という事例もみられるのです.わたしたちは,最初に,青少年人口の年間増加が数量的にわずかであるということが,わたしたちがすべてのタレントを把握することのできるようなできるだけ目の細かいネットをつくらなくてはならない要因の一つである,ということを確認しておかなくてはなりません.
わたしたちは,さらに,児童期にだけ,そして,児童期といっても,一学年の時期だけに努力を集中するということになれば,誇張ではなく,次のようにいうことができます.わたしたちのネットは,タレントを確認できる細かな目のネットよりも,それによってタレントを見逃してしまうようなより大きな隙間をもつことになる,ということです.そのための例をあげましょう:多くの連盟が児童期に適切な形態メルクマールにしたがって注目しています.とくに,平均以上の大きさというメルクマールが問題にされます.私たちの現在の認識からすると,しかし,一部分のみを把握することに成功しているだけです.そのほかのものはすべて —— 13から15歳では,より多くの部分になりますが —— 把握されもしなければ,後になっても組み入れられることはないのです.偶然が助けにならない以外は!
賞賛に値する漕艇については,最近,多くの賞賛すべきことが言われています.とはいえ,もしその連盟が,タレント選抜に対して現在の要求に将来図式的にこだわり続けるとすると,どのようなチャンスを連盟がもつのか,考えてみようと思います.漕艇連盟が規準としている身長は,15歳で,1%,つまり,男女併せて2500人になります.
ここでは,ドイツ漕艇連盟のこれまでの手続きを批判するのではなく,事実だけをあげておきましょう.わたしたちの研究では,選抜システムにおける主要な方途についてのべ,他の進路の可能性を示すとすれば,たくさんのものがあり,それを主要な道につなぐために,種目によってちがいますが,同じように歩むべき道です.

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2009/03/02

適性診断 その8

1.ドイツ民主共和国の競技スポーツシステムにおける青少年スポーツの課題と,科学的な選抜の意義

<主報告>

1970年11月,ドイツ体操スポーツ連盟の第2回幹部会で,1972年のオリンピック大会の準備の進捗状況が分析されました.同時に,我が国の競技スポーツの発達テンポをあげるには,どのような手当が必要なのか,ということが論議されました.会議の主要な部分は,1972年以降も世界レベルで戦える競技スポーツの基礎を創出するためには,どのようにして,ジュニアの発達という仕組みを改善し,加速すべきなのか,という問題にさかれました.ドイツ体操スポーツ連盟会長である,ORZECHOWSKIは,次のように指摘しています.”今日すばらしい出発位置にあれば,明日にはかならずよりよいパフォーマンスを得ることができます...世界レベルに対する現在の遅れたレベルは,素早いテンポで克服しなくてはなりません.“
これまで,とくに1970年,重要な国際競技会で優れた成績を収めることができました.トップレベルでと同じように,ジュニア選手の分野でも,すばらしい発展を見せています.国際ジュニア選手権の結果やスパルタキアードの成果をみると明らかです.こうした発展は,多くのコーチ,指導者,トレーナー,方法学者,スポーツ医,スポーツ科学者,組織運営担当者,など、目標をひとつにした協働作業の成果で、とくに,ジュニア選手の発達の基本的方針の正しさが証明されたといえます。それは,ジュニア選手の選抜や促進段階、また、スパルタキアードという点でも,浸透してきているところです.各種目を分析し,各クラブのパフォーマンス発達を比較すると,優れたトップレベルのパフォーマンスが,ジュニア期における、パフォーマンスの基礎構築と結びついていることがわかります.逆にいうと、トップパフォーマンスという点での遅れを示しているような連盟やパフォーマンスセンターでは,ジュニアの発達という点で大きな遅れがあるということでもあります.
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こうした点を指摘するだけでは十分ではありません.今後の活動にとっては,よい成果や欠点の原因を,指導に関わる要因という面からはっきりとさせる必要があるのです.とくに,タレントの選抜,その促進,トレーニング方法面や教育面の問題が重要な要因で,パフォーマンスレベルや最高パフォーマンス育成のテンポを決定づけるのです.現状は、ジュニアの発達システムにおいて,科学的な成果が実践に流れ込んでいるとしても,そのテンポをよりあげなくてはならない時期にあります.より正確にいえば,実践のテンポをあげ、成果をより確かなものにするために,科学がますます重要になってきているということ、ジュニア発達の科学化ということが重要だということです.指導部の立場からすると,科学的認識を応用できるような条件を創出することが義務となっているのです.
このセミナーは,こうした問題意識から出発しているという意味では、最初のセミナーです.全体の関心は,タレント発掘・認知,振り分け,選抜,促進という多面性をもっていますが,比較的限定された問題圏に対応しています.主要な問題は,将来の世界クラスのパフォーマンスに対して,タレントを持った若い選手を育成・促進するための最も重要な制度としての,青少年スポーツ学校選抜を改善すること、それによって,世界トップレベルのパフォーマンスにまで成功裏に導くことの出来るような候補選手を準備すること,このことをどのようによりよく成功させることができるのか,ということです.
この問題の研究では,解答のカギとなるような点があります.青少年スポーツ学校での活動の成果は,候補者の選抜をより高いレベルに引き上げること,そして、トレーニングによる目的的な準備の仕組みを改善すること、こうした取組にどれくらい成功しているか,に左右されます.したがって,トレーニングセンターは,競技スポーツシステムにおけるジュニア選手の第一準備段階として,ますます重要になってきているのです.
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それと関連して,トレーニングセンターに対する適性をもった選手の選抜,並びに,トレーニングセンターでの教育と陶冶という面に対しても,青少年スポーツ学校にむけた準備段階という意味をもった二三年のトレーニング過程という点から,要求がより大きなものとなっています.
このテーマの要点はどこにあるのでしょうか?
このセミナーには,経験と認識を、競技スポーツのレベルの引き上げのテンポを加速するという点で応用するための、より普遍的で実現可能な道筋を、理論的認識に対して示すという課題があります.適性研究の科学的問題は非常に複雑で,多様な課題を内包していること、正確にまとめあげられた成果を提出することは不可能である,ということも知っています.この研究は,世界最高のパフォーマンスを狙ったものでなくてはなりませんから,すでに,わたしたちがもっている,発達を加速し,回り道を回避し,間違った結果を少なくするための,基本問題や種目毎の部分成果という点での認識は競技スポーツの政治的目標の達成に対して,非常に価値大きい貢献をするはずだ,ということも重要です.
競技スポーツのためのジュニアの発達は,今日に始まったものではありません.しかし、これまでは科学的な規準値をもたずに進められてきました.わたしたちは,各ステップを実験的,実践的に検証することを迫られてきました.こうした面で,二三の初歩的な成功をおさめています.わたしたちは,多くの問題とその解決の方途を明確にしめしてくれるような認識を獲得することができましたし,そうした経験を集めることができましたが、こうした歩みのなかで,よりよい成果獲得に障害となるような多くの間違いも冒してきました.したがって,このセミナーに,時間を浪費するような回り道を避けることのできるような,科学と研究の,実践に応用でき,普遍性をもった,最初の成果と指針を期待します.言い換えると,このセミナーは,競技スポーツにおけるジュニア発達システムという点での科学の生産力をより有効なものにすることに役立つものでなくてはなりません.

<<競技スポーツに適性をもったジュニア選手の選抜と促進の有効なシステムを構築することの意義はどこにあるのでしょうか?>>

オリンピック大会や重要な国際選手権大会で,世界をリードするスポーツ大国の競技スポーツでの,発達傾向を分析すると,ひとりの競技能力にすぐれたトップ候補選手の発達は,ジュニア領域でのパフォーマンスの準備次第だ,ということが明確になります.
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あるいは,ジュニアのときに始めるためには,多くの人数の,近代的な認識にもとづいてトレーニングされ,すでに少年期に試合でその能力を実証しているようなパフォーマンス能力にすぐれたジュニア候補選手の発達は,世界クラスのパフォーマンスを達成するための前提の一つなのだ,ということです.さらに,一連の種目では,すでに,少年期に世界クラスのパフォーマンスを達成することもできるという点も重要です.それとともに,ジュニア候補選手から,目標をもった活動をすれば,すばやく,国際的なトップパフォーマンスをあげる選手を発達させることも可能なのです.この認識は,すべてのスポーツ大国に当てはまることです.それは,我が国における競技スポーツのさらなる発展にとって大変な重みをもっています.というのも,わたしたちは,国際的な最高競技スポーツという点での発達テンポとともに歩みを維持しなくてはならないというだけではなくて,一連の種目で,世界最高の成果をあげなくてはならない,というだけの理由からではありません.むしろ,私たち自身が,このテンポをともに決定づけるような役割をしなくてはならない,からなのです.そうすることで,重要な国際試合のときに,成功を手に入れることができるのです.
この課題をわたしたちは,人口が比較的少ない,経済的な資源に乏しいなかで解決しなくてはなりません。競技スポーツの発展要因も比較的貧困なところから出発しなくてはならないのです.ジュニア競技スポーツにおける活動重点は,促進制度に対して適性のある青少年の選別と選抜のできるだけ網の目の細かいネットを,タレントを見落とさないような選抜可能性をもったシステムと結びつけなくてはならないという点です.
我が国では,現在,各年齢段階あたり約30万の子供たちが成長しつつあります.来年はその数が25万になります.この人数の客観的な数字をみると、この問題の解決には、大まかにあるいは表面的に関わることは許されない,ということがわかります.これは,将来の問題というだけではなくて,現実の実践上の問題でもあります.
現在の段階にあっても,ジュニアの発達の問題のほぼすべてを一歩一歩実験的に解決しなくてはならないが故に,どのようなイデオロギー,組織,指導方法,パフォーマンス決定上の要因が,わたしたちの発展にマイナスの影響を及ぼすのか、―― 各州やパフォーマンスセンターの条件は比較的よいけれども ―― 相対的にみて我が国のわずかなリソースであっても,好条件をもった州においては,可能な素早い発展がどのように阻害されているのか,ということがわかっています.
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たとえば,陸上競技では,昨年の発達を分析すると,トップレベルとジュニアレベルでは,プラスのパフォーマンス発達が確認できます.1970年の連盟中央委員会の第2回大会で,この発達には,すべての州やパフォーマンスセンターが関わっているのではない,ということ確認されています.とくに,ライプチヒの二つのスポーツクラブは,1966年にはジュニア競技スポーツにおいて主導的な位置にあったのですが,4年の間に後退傾向が顕著になりました.これは,青少年スパルタキアードの学齢期,青年,の年齢クラス,それから,友好競技大会やヨーロッパジュニア選手権での成績への,両クラブの関与という点にみられます.
こうした例の背景はなになのでしょうか?我が国のもっとも重要な州の一つで,二つの強力なクラブをもっている州が,6年の間に,もっとも重要なオリンピック種目で,現在まで,将来のトップレベルの競技力に影響を及ぼすところのジュニア競技スポーツで何らの成果も上げていないのです.このマイナスの例は,陸上競技だけにかぎりません.陸上競技のパフォーマンスセンターの約三分の二が非常によい成果という点で,何らの貢献もしていないのです.
もし実践のなかで検証された認識を全体として活用するならば,どれくらいよい出発点に立つことできるか,ということはだれでも予想のできることです.
人口についての確認と関連して,この例は,多くの研究されていない問題があるとはいえ,すでに,現在,ポジティブな成果も可能なのだ,もしよい経験を利用し,徹底させ,独自のイニシアティブを,指導者とトレーナーによる実践の豊富化にむけて案内できれば,可能なのだ,ということを示しているにすぎません.

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2008/12/10

JISSスポーツ科学会議

2008年12月6日代々木の国立オリンピック記念青少年センターにて,第5回JISSスポーツ科学会議が開かれました。
Kolespoは,当会議のゲストスピーカーであるDr. Gunar Senf 先生の招聘に協力しました。
また,委託研究では「旧ドイツ民主共和国 代表的オリンピック競技種目(水泳,陸上等)のトレーニングコンセプトとそれに基づいたトレーニングステアリング法の基礎的研究」を発表しました。

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旧東独の長期パフォーマンス育成システムにおけるタレント認定とタレント選抜を講演するDr. Senf 先生(右)
(左は,同時通訳するコレスポ事務局長高橋氏)

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2008/10/14

第5回 競技スポーツ科学・国際集中講座 2009

今回で5回目を迎えた「競技スポーツ科学・国際集中講座2009」の実施要項が発表されました。
詳しくは、こちらを参照ください。
また、詳しいスケジュールは、こちらを参照ください。

多くの方の参加をお待ちしております。

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2008/09/13

『競技スポーツの理論と実践』誌掲載の論文タイトルの試験公開について

ライプチヒ体育大学(DHfK)や体育スポーツ研究所(FKS)を中心とする、旧東独の競技スポーツの科学研究を分析するには不可欠の資料である「競技スポーツの理論と実践(TPL)」誌の掲載論文タイトルのデータベース(和訳あり)の試験公開をします。

詳細はこちらへ

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データベースのプレビュー

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2008/04/10

適性診断 その7

旧東独の適性診断については、これまで概論的な問題について私見をのべさせていただきました。今回から、もうすこし突っ込んで問題を考えるという立場から、これまでの資料収集作業で得られたデータを抄訳というかたちで紹介していこうと思います。
最初は、1971年のTPL(競技スポーツの理論と実践)誌の特集「競技スポーツに適した青少年の選抜について」を紹介したいと思います。以下の七つの論文が掲載されています。

1.ドイツ民主共和国の競技スポーツシステムにおける青少年スポーツの課題と,科学的な選抜の意義
2.ドイツ民主共和国・競技スポーツに対する有効な選抜システムの創造
3.スポーツ的なタレントをもった青少年のシステム的な選抜を考慮した、ジュニアレベルでの組織上の基礎問題とパフォーマンス能力の最適化
4.水泳競技における六年間の縦断研究の成果と、他のオリンピック種目へのその応用の可能性
5.競技スポーツのための選抜という観点からみた青少年の身体的発達状態
6.スポーツトレーニングのための、タレントをもった青少年・少女の選抜システムにおけるスポーツ人類計測学の有効性の基礎
7.陸上競技における有効な選抜システムの創出について

この特集は、1970年12月3日・4日にライプチック体育大学で開催された会議の報告書です。いわゆる「青シリーズ(blau Reihe)」といわれている特別号で、競技スポーツでもナショナルレベルでの指導や科学研究に関わる人たちだけが読むことのできたものです。
我が国でも、福岡県をはじめ、本格的な「タレント発掘」事業がすすめられ、成果が期待されているところで、そうした取組が全国的な規模に広がりをみせています。スポーツに適性をもった子供たちの希望にみちた発達の過程をサポートする、ということは案外難しいことで、30年ほど前の旧いデータですが、そこから読み取れることは多いのではないかと思います。

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2008/01/19

ライプチヒ2008年冬 04

引き続き、2005年のカヌー・カヤック競技の基礎コンセプトを紹介していこう。くりかえしになるが、トレーニング基礎コンセプトというのは、日本の学校の指導要領のようなものと理解しても大きな間違いではないだろう。子供たちにどのような能力をどのような時期に、どのようにしてつけさせてあげることができるか、それによって、子供たちのなかに潜在している能力をあせらず、たゆまずそだてていくことができる。適時性やタイミングがたいへんに大切で、功を焦るとしっぺ返しを食らうことになるし、良薬は口に苦く、土作りを怠ると数年は収穫が期待できても、その後とりかえしのつかない土の疲労を覚悟しなくてはならないのだ。長年の選手育成から出てきたこのコンセプトから学ぶべきところは多い!
四章:トレーニングの原理と計画のところを少し詳しくみておきたい!

4.1 トレーニングの原理
競技スポーツトレーニングは、目標を明確にした、システム的で、法則にもとづいた過程で、世界最高パフォーマンスの達成を指向している。トレーニング原理は、トレーニングと試合の活動を実行していくための一般的な行為指針であるから、スポーツトレーニングの条件ー行為ー結果関係作用の法則をもとにしている。

4.1.1 目標パフォーマンスとその構造をねらってトレーニングをする原理

予測したパフォーマンスとその構造をねらってトレーニングを構成するという原理である。そのためには次のようなことを明らかにしておく必要がある。
- レースの構成をどのようにするのか(区間毎のタイムやピッチ数)
- 各トレーニング段階でのパフォーマンス前提の発達規準(オーバーとアンダーディスタンスの記録、専門的な筋力、乳酸値が3から7ミリモルでのボート速度)
- バイオメカニクスにもとづいた技術モデル

4.1.2 パフォーマンス前提の無駄のない一貫した形成

専門種目のパフォーマンス構造との関係でいうと、各パフォーマンス前提は同じような重要性をもちつつ相互に影響しあいながら発達していく。したがって、ある能力が他の前提のための条件として働く場合もあれば(たとえば、専門筋力の条件となる一般筋力、漕艇技術のためのエネルギー面の条件(筋力ー技術ー単位)、専門的なパフォーマンス前提の条件となる漕艇技術)、マイナスに作用する場合もある(持久性とスピード、最大筋力と筋力持久性、疲労持久性負荷と漕艇値術)ので、こうした能力を同時に形成することはできない。
持久性種目では、次のような課題配列がパフォーマンス発達に有効である。
- 一般的なパフォーマンス前提の発達:
呼吸循環器系の前提、一般筋力、コオーディネーション能力、運動技能(動作リザーブ)、スピード能力育成のための神経ー筋操作プログラム、一般的な負荷耐性
- 専門的なパフォーマンス前提の発達:
専門基礎持久性(オーバーディスタンスパフォーマンス)、専門的スピード(アンダーディスタンスパフォーマンス)、専門筋力、漕艇技術、専門負荷耐性
- 複合的な試合パフォーマンスの発達:
試合パフォーマンスにパフォーマンス前提をトランスフォーメーション(転換活用)する、試合固有の持久性
- 試合パフォーマンスの形成:
個性的なレース構造での個人のパフォーマンス前提の転換、レース構成トレーニング
この原理にしたがって、トレーニングは、その時間的な流れからすると、専門種目との関係で見た場合の刺激効果があまりないようなトレーニング手段(一般的なトレーニング手段や非専門的トレーニング手段)で始めることが必要である。刺激効果は、トレーニング手段の切り替えや交代をとおして(非専門的手段・セミ専門的手段ー専門的手段、エクステンシブな手段とインテンシブな手段)高めていく。インテンシブで専門的なトレーニング手段(GA2以上)の早期導入は速すぎるパフォーマンスの最適化を結果することになり、後の段階でのトレーニング刺激効果を高めるときの障害を生むことになる。

 <以下つづく>

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2008/01/08

ライプチヒ2008年冬 03

東ドイツのトレーニング科学は、一般理論研究、種目専門研究、基礎研究の成果の上に構築されていることはすでに指摘してきたとおりである。これらの研究を科学研究協議会のようなものをこしらえておいて、国家目標をもとにして統合してきたわけである。種目研究だけでも視野が狭小となり、一般研究だけでは実践からはなれすぎ、基礎研究だけでは具体の世界にその成果を連結することができにくい!そうした点での、統合的問題解決型・技術学的な研究推進がその特徴ということができるだろう!
目次から少し中身にまで立ち入って基礎コンセプトの紹介をつづけよう!

1.長期パフォーマンス育成
1.1 12歳までの基礎養成
- タレントの発掘と選抜
- コオーディネーション能力の発達
- 運動基礎トレーニング
- エクササイズ単位を、年齢にあったもので、喜びはふれ、多面的で変化のあるものにすること
- カヌー競技への導入、基礎技術の習得
- 動作スピードの発達
1.2  14歳までの基礎トレーニング(GLT)
- 多様な一般動作経験の獲得
- コオーディネーション能力の改善
- カヌー専門動作技術の習得と形成
- 一般基礎持久性と専門基礎持久性の発達
- 自分の体重を使った力能力の発達開始
- 一般的なスピードの発達
1.3 16歳までの育成トレーニング(ABT)
- パドルテクニックの安定化と洗練
- より高いレベルの専門基礎持久性と一般基礎持久性の発達
- 基礎的なスピード能力の発達
- より高いレベルの一般的な力能力の発達
1.4 18歳までの移行トレーニング(AST)
- 専門的な要求からみてトレーニング量を増やす
- 基礎持久性と試合持久性の改善
- 専門的な力ー技術コンプレックスの改善
- 専門スピードの発達
1.5 19歳以降のトップレベルトレーニング (HLT)
- 個人の最高パフォーマンスの達成
- 専門持久性要求と専門力要求の範囲で、量と強度をさらに高める
- 年間の試合期に対して目標を明確にして準備する

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2008/01/07

ライプチヒ2008年冬 02

カヌー・カヤック競技:トレーニング基礎コンセプトの目次を紹介しておこう!

第一部
1.長期パフォーマンス育成(Langfristiger Leistungsaufbau) 9
2. パフォーマンスの目標、前提、予測パフォーマンス(Leistungsziele, Leistungsvoraussetzungen, Prognoseleistung) 13
3. トレーニング域と負荷領域(Trainings - und Belastungsbereiche im Training )22
4. トレーニングの原理と計画(Trainingsprinzipien und Trainingsplanung )27
5. トレーニングの方法要綱( Trainingsmethodische Kennziffern) 33
6. トレーニング記録(Protokollierung des Trainings) 42
7. 選手選抜規準(Normen zur Kadernominierung) 46

第二部
はじめに(Einleitung) 49
1. 漕法技術の発展(Entwicklung der Fahrtechnik) 51
1.1 初期育成(Die Anfaengerausbildung) 51
1.2 漕法技術の発達(Die Weiterentwicklung der Fahrtechnik )58
1.3 技術誤謬の分析と修正の手段と方法(Mittel und Methoden zur Analyse und Korrektur von Technikfehlern) 58
1.4 技術の評定法(Das Verfahren der Technikeinschaetzung) 60
2. コオーディネーション能力の発達(Die Entwicklung der koordinativen Faehigkeiten) 68
2.1 バランス能力の修練(Schulung der Gleichgewichtsfaehigkeit) 70
2.2 リズム能力の修練(Schulung der Rhythmusfaehigkeit) 72
2.3 分化能力の修練(Schulung der Differenzierungsfaehigkeit) 73
2.4 連結能力の修練(Schulung der Kopplungsfaehigkeit) 74
3. コンディション能力の発達(Die Entwicklung konditloneller Faehigkeiten) 76
3.1 持久性(Ausdauer) 76
3.1.1 一般持久性の発達(Allgemeine Ausdauerentwicklung )77
3.1.2 専門持久性の発達(Spezifische Ausdauerentwicklung) 81
3.1.3 パフォーマンス測定・評価(Leistungskontrollen) 84
3.2 力(Kraft) 85
3.2.1 多面的な基礎力の発達(Entwicklung der vielseitigen Basiskraft) 87
3.2.2 詳細な力トレーニング(Differenziertes Krafttraining) 90
3.2.2.1 力持久性トレーニング(Kraftausdauertraining) 90
3.2.2.2 最大力トレーニング(Maxlmalkrafttraining) 93
3.2.2.3 瞬発性力トレーニング(Schnellkrafttralnlng) 97
3.2.3 専門力トレーニング(Spezifisches Krafttraining) 99
3.3 スピード(Schnelligkeit) 101
3.3.1 一般スピードトレーニング(Allgemeines Schnelligkeitstraining) 101
3.3.2 専門スピードトレーニング(Spezifisches Schnelligkeitstralning )102
3.4 可動性(Beweglichkeit) 103
4. 試合の構造、試合の課題(Wettkampfstruktur, Aufgaben der Wettkaempfe) 108
5. パフォーマンス育成の方法形成(Die methodische Gestaltung des Leistungsaufbaus )112
5.1 基礎形成(Grundausbildung) 113
5.2 基礎トレーニング(Grundlagentraining) 115
5.3 育成トレーニング(Aufbautraining) 116
6. 再成法、健康、安全(Massnahmen der Regeneration, Gesunderhaltung und Sicherheit) 118
7. カヌー競技における理学療法(Physiotherapie im (Kanu-) Sport) 119
8. 文献(Quellverzeichnis, Autoren )123

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2008/01/05

ライプチヒ2008年冬 01

一昨日、最低気温がドレスデンでマイナス19度になったそうだ。外にでると寒さがジーンと体のなかにしみてくる。カゼがない分、ありがたいところだ!
カヌーやカヤック競技の「トレーニング基礎コンセプト」(1. Auf. 2005, ドイツカヌー連盟)を翻訳している。旧ドイツ体育大学のシュナーベル研究室が担当した科学サポート種目でもあり、今回の資料収集で、その姿がおぼろげに浮かび出しつつある。旧ドイツ体育大学の一般トレーニングの理論と方法研究室については、別のところで紹介したが、シュナーベル先生を中心に、コンディションのハレ先生、バイオメカニクスのヘルマン先生、その他、統計学の先生が教授陣を形成し、クリューガー先生、チンマー先生、チンマーマン先生、などがスタッフとして活動していた。
担当種目は、漕艇(ボート、カヌー、カヤック)、体操競技、飛び込み、水泳競技、バレーボール等であった。とくに、漕艇についての科学サポートは相当大きな成果をあげたようである。今回収集できた博士論文も、たとえば、ヘルマン先生のカヌー動作のバイオメカニクス的な研究などは、技術分析の精度と具体性という点で、先ほど紹介した基礎コンセプトの柱の一つになって生き続けている。1970年から80年初頭の時期に、コンピュータをつかった動作解析をおこないつつ、より合理的な粘性抵抗下での動作モデルを提示するというもので、詳細な分析だけではなく、具体的なカヌー漕ぎ動作の技術構成に結実していくところがおもしろい。こうした研究手法は、たとえば、ホーフマン先生のコンディション能力の効率的な運用能力の研究、ミノー先生の、ミクロサイクルにおける負荷構成法の研究、キルシュ先生の運動分化能力の研究など、共通したものである。パフォーマンスやその能力の研究というと、ザインの研究が主になるのであるが、そこから一歩でて、ザイエンデ、そしてゾーレンの研究に向かうという指向が常に志されていたようである。いわゆる、勝つための研究という技術学や工学的な哲学が底流となっている。そこには、より速く、より高く、より強く、というオリンピックスピリッツが見え隠れしているのであるが、客観性という点では証明されることのない、未来への投企の志は主観的な感性をためされるという点で、なかなか厳しい思考作業である。
基礎コンセプトを読んでいて、その背後のたくさんの厳しい思考作業の連続を思わずにはいられない!

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