2008/09/13

『競技スポーツの理論と実践』誌掲載の論文タイトルの試験公開について

ライプチヒ体育大学(DHfK)や体育スポーツ研究所(FKS)を中心とする、旧東独の競技スポーツの科学研究を分析するには不可欠の資料である「競技スポーツの理論と実践(TPL)」誌の掲載論文タイトルのデータベース(和訳あり)の試験公開をします。

詳細はこちらへ

Kolespoarchive_3

データベースのプレビュー

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2008/01/19

ライプチヒ2008年冬 04

引き続き、2005年のカヌー・カヤック競技の基礎コンセプトを紹介していこう。くりかえしになるが、トレーニング基礎コンセプトというのは、日本の学校の指導要領のようなものと理解しても大きな間違いではないだろう。子供たちにどのような能力をどのような時期に、どのようにしてつけさせてあげることができるか、それによって、子供たちのなかに潜在している能力をあせらず、たゆまずそだてていくことができる。適時性やタイミングがたいへんに大切で、功を焦るとしっぺ返しを食らうことになるし、良薬は口に苦く、土作りを怠ると数年は収穫が期待できても、その後とりかえしのつかない土の疲労を覚悟しなくてはならないのだ。長年の選手育成から出てきたこのコンセプトから学ぶべきところは多い!
四章:トレーニングの原理と計画のところを少し詳しくみておきたい!

4.1 トレーニングの原理
競技スポーツトレーニングは、目標を明確にした、システム的で、法則にもとづいた過程で、世界最高パフォーマンスの達成を指向している。トレーニング原理は、トレーニングと試合の活動を実行していくための一般的な行為指針であるから、スポーツトレーニングの条件ー行為ー結果関係作用の法則をもとにしている。

4.1.1 目標パフォーマンスとその構造をねらってトレーニングをする原理

予測したパフォーマンスとその構造をねらってトレーニングを構成するという原理である。そのためには次のようなことを明らかにしておく必要がある。
- レースの構成をどのようにするのか(区間毎のタイムやピッチ数)
- 各トレーニング段階でのパフォーマンス前提の発達規準(オーバーとアンダーディスタンスの記録、専門的な筋力、乳酸値が3から7ミリモルでのボート速度)
- バイオメカニクスにもとづいた技術モデル

4.1.2 パフォーマンス前提の無駄のない一貫した形成

専門種目のパフォーマンス構造との関係でいうと、各パフォーマンス前提は同じような重要性をもちつつ相互に影響しあいながら発達していく。したがって、ある能力が他の前提のための条件として働く場合もあれば(たとえば、専門筋力の条件となる一般筋力、漕艇技術のためのエネルギー面の条件(筋力ー技術ー単位)、専門的なパフォーマンス前提の条件となる漕艇技術)、マイナスに作用する場合もある(持久性とスピード、最大筋力と筋力持久性、疲労持久性負荷と漕艇値術)ので、こうした能力を同時に形成することはできない。
持久性種目では、次のような課題配列がパフォーマンス発達に有効である。
- 一般的なパフォーマンス前提の発達:
呼吸循環器系の前提、一般筋力、コオーディネーション能力、運動技能(動作リザーブ)、スピード能力育成のための神経ー筋操作プログラム、一般的な負荷耐性
- 専門的なパフォーマンス前提の発達:
専門基礎持久性(オーバーディスタンスパフォーマンス)、専門的スピード(アンダーディスタンスパフォーマンス)、専門筋力、漕艇技術、専門負荷耐性
- 複合的な試合パフォーマンスの発達:
試合パフォーマンスにパフォーマンス前提をトランスフォーメーション(転換活用)する、試合固有の持久性
- 試合パフォーマンスの形成:
個性的なレース構造での個人のパフォーマンス前提の転換、レース構成トレーニング
この原理にしたがって、トレーニングは、その時間的な流れからすると、専門種目との関係で見た場合の刺激効果があまりないようなトレーニング手段(一般的なトレーニング手段や非専門的トレーニング手段)で始めることが必要である。刺激効果は、トレーニング手段の切り替えや交代をとおして(非専門的手段・セミ専門的手段ー専門的手段、エクステンシブな手段とインテンシブな手段)高めていく。インテンシブで専門的なトレーニング手段(GA2以上)の早期導入は速すぎるパフォーマンスの最適化を結果することになり、後の段階でのトレーニング刺激効果を高めるときの障害を生むことになる。

 <以下つづく>

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2008/01/08

ライプチヒ2008年冬 03

東ドイツのトレーニング科学は、一般理論研究、種目専門研究、基礎研究の成果の上に構築されていることはすでに指摘してきたとおりである。これらの研究を科学研究協議会のようなものをこしらえておいて、国家目標をもとにして統合してきたわけである。種目研究だけでも視野が狭小となり、一般研究だけでは実践からはなれすぎ、基礎研究だけでは具体の世界にその成果を連結することができにくい!そうした点での、統合的問題解決型・技術学的な研究推進がその特徴ということができるだろう!
目次から少し中身にまで立ち入って基礎コンセプトの紹介をつづけよう!

1.長期パフォーマンス育成
1.1 12歳までの基礎養成
- タレントの発掘と選抜
- コオーディネーション能力の発達
- 運動基礎トレーニング
- エクササイズ単位を、年齢にあったもので、喜びはふれ、多面的で変化のあるものにすること
- カヌー競技への導入、基礎技術の習得
- 動作スピードの発達
1.2  14歳までの基礎トレーニング(GLT)
- 多様な一般動作経験の獲得
- コオーディネーション能力の改善
- カヌー専門動作技術の習得と形成
- 一般基礎持久性と専門基礎持久性の発達
- 自分の体重を使った力能力の発達開始
- 一般的なスピードの発達
1.3 16歳までの育成トレーニング(ABT)
- パドルテクニックの安定化と洗練
- より高いレベルの専門基礎持久性と一般基礎持久性の発達
- 基礎的なスピード能力の発達
- より高いレベルの一般的な力能力の発達
1.4 18歳までの移行トレーニング(AST)
- 専門的な要求からみてトレーニング量を増やす
- 基礎持久性と試合持久性の改善
- 専門的な力ー技術コンプレックスの改善
- 専門スピードの発達
1.5 19歳以降のトップレベルトレーニング (HLT)
- 個人の最高パフォーマンスの達成
- 専門持久性要求と専門力要求の範囲で、量と強度をさらに高める
- 年間の試合期に対して目標を明確にして準備する

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2008/01/05

ライプチヒ2008年冬 01

一昨日、最低気温がドレスデンでマイナス19度になったそうだ。外にでると寒さがジーンと体のなかにしみてくる。カゼがない分、ありがたいところだ!
カヌーやカヤック競技の「トレーニング基礎コンセプト」(1. Auf. 2005, ドイツカヌー連盟)を翻訳している。旧ドイツ体育大学のシュナーベル研究室が担当した科学サポート種目でもあり、今回の資料収集で、その姿がおぼろげに浮かび出しつつある。旧ドイツ体育大学の一般トレーニングの理論と方法研究室については、別のところで紹介したが、シュナーベル先生を中心に、コンディションのハレ先生、バイオメカニクスのヘルマン先生、その他、統計学の先生が教授陣を形成し、クリューガー先生、チンマー先生、チンマーマン先生、などがスタッフとして活動していた。
担当種目は、漕艇(ボート、カヌー、カヤック)、体操競技、飛び込み、水泳競技、バレーボール等であった。とくに、漕艇についての科学サポートは相当大きな成果をあげたようである。今回収集できた博士論文も、たとえば、ヘルマン先生のカヌー動作のバイオメカニクス的な研究などは、技術分析の精度と具体性という点で、先ほど紹介した基礎コンセプトの柱の一つになって生き続けている。1970年から80年初頭の時期に、コンピュータをつかった動作解析をおこないつつ、より合理的な粘性抵抗下での動作モデルを提示するというもので、詳細な分析だけではなく、具体的なカヌー漕ぎ動作の技術構成に結実していくところがおもしろい。こうした研究手法は、たとえば、ホーフマン先生のコンディション能力の効率的な運用能力の研究、ミノー先生の、ミクロサイクルにおける負荷構成法の研究、キルシュ先生の運動分化能力の研究など、共通したものである。パフォーマンスやその能力の研究というと、ザインの研究が主になるのであるが、そこから一歩でて、ザイエンデ、そしてゾーレンの研究に向かうという指向が常に志されていたようである。いわゆる、勝つための研究という技術学や工学的な哲学が底流となっている。そこには、より速く、より高く、より強く、というオリンピックスピリッツが見え隠れしているのであるが、客観性という点では証明されることのない、未来への投企の志は主観的な感性をためされるという点で、なかなか厳しい思考作業である。
基礎コンセプトを読んでいて、その背後のたくさんの厳しい思考作業の連続を思わずにはいられない!

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2007/12/18

ライプチヒ2007年秋 16

ケルン体育大学の敷地内にある、DOSBトレーナーアカデミーで、第一回の「International Workshop for Coaching Excellence」が開催された。先月の終わりに、ハルトマン先生の研究室での研修で、ノルトマンさんをたずねたときに、情報をいただいたので、参加させていただいた。
ドイツを中心に、ノルウェー、スウェーデン、フランス、イタリア、オランダ、イギリス、カナダ、USA、オーストラリア、などのコーチ教育に携わっている方や、それぞれの種目でナショナルレベルのコーチをされておられる方が参加されていた。
テーマにもあるように、コーチの職能を社会的な富を産出する、他の職域と比肩しうるものとしていちだんと高いレベルの教育システムを国際的に構築するための仕組みづくりが狙いである。不思議な話ではあるが、競争相手と共同して、コーチという特別な職能のレベルアップをはかる、という矛盾した取組みなのだ。各国代表からの提案はどれも、たいへん興味深く、ノウハウをされけ出すのはプロ意識にかける、という考え方もあるが、情報は共有して、そのうえで競争しよう、というのはフェア精神である、といえなくもない。とくに、ドーピング問題を解決するための、唯一の方法がコーチングの科学化であり、情報の開示と共有である、という基本スタンスの確認がポイントとなったようである。
その点で、我が国でもはじまっているトレーニングの科学サポートのあり方や考え方という点で、ドイツ応用トレーニング研究所のザントナー博士の発表はたいへんに心を動かされた。とくに、これまでのように、科学者が知っている人で、コーチは知らない人、知っている人から知らない人へ、科学的な情報を伝達する・流す・下ろす、というような関係ではなく、同じスタンスから、勝利にむかって新たな情報を創り上げるというようなアクティブコラボレーションのシステムづくりの提案は聴いていて心を動かされるものであった。
トレーナーアカデミーがそうした仕組みづくりに今後どのような提案をしてくるのか、興味のつきないところである。

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2007/12/02

ライプチヒ2007年秋 15

11月の終わりの二日間29日と30日に、ハルトマン先生の研究室が主催する、修士課程の学生を対象とした、ケルン体育大学へのエクスカーション実習に参加させていただいた。
朝五時に大学近くのガソリンスタンド前に集合して、6時間かけてケルン大学にいくというバスの旅である。11時すぎに大学につき、昼食後、ドーピング研究所(世界に二番目の検体数)とバイオメカニクスラボ、それから、さまざまな体育施設の見学とよる7時ころまでのプログラムは、雨のなかでのハードなものであった。その後、自由時間となり、ケルン大聖堂のライトアップを見学しにいった。雨のなか、すこし悲しい気分だったか、その威風堂々に感動してしまった。同僚とふたりで、エルメスのショウウィンドーの明かりをつかって、けっこういい写真がとれたとよろこんだりしてしまった(ちょっと不謹慎だった)。
翌日は、トレーナーアカデミー所長のノルトマン博士とオリンピック支援センターの広報担当者の講義があった。
ノルトマン博士は、ライプチヒのシュナーベル研究室出身で、「エネルギー系体力活用の効率化に対する技術・コオーディネーション前提と感覚運動転移の意義について」という題名で、1987年に博士号を取得している。ハルトマン先生とは四つ違いで、1957年生まれ。今年で50歳になられる方である(写真 左ハルトマン先生、右ノルトマン先生)。
Nordmann02_2     
講義はたいへんに魅力的なものであった。アインシュタイの「知識は交換することによってはじめて知恵としての意味をもつ」というような言葉を引用して、コーチ育成のための原理的な問題を一時間にわたってよどみなくはなされた。これまで、どこでもおめにかかったことのない理論展開の秘密をたずねたのだが、すでにそれは、博士論文のころからのことで、自己組織化理論などを盛んに引用して、あまり理解されなかったんだ、というようなことをおっしゃっておられた。トレーナーアカデミーはすでにドイツ一国のわくをこえ、EUのしかるべきバックボーンをえて、これまでの「ケオトシガタ」から「ヘテロ・シナジー 型」へと舵をきったようだ。ディプロムもふくむカリキュラム構成の開発がすすんでいる。なんとも力強いというのか、わたしたちも拍車をかけないといけないな、と思った。

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2007/11/22

ライプチヒ2007年秋 14

残りが後二ヶ月程になると、なんとなく帰りモードになっているようで、すこし焦ってくる。資料収集も、文献から文献という具合にたどることが必要で、というのも、「機密資料」や「内部研究資料」が多くあるために、大学の図書館のOpacでは十分な検索ができない。いろいろな方向からせまっていかないといけない。この場合、「図書」というのはいったいなんだろうか?とおもったりする。資料ではなく、文献として、社会的な仕組みを前提とし、その手続きをへて「承認」されたものが「図書」なんだな、と初歩的な確認をする始末である。なんとかこの壁を越えることができないものか、いろいろと手を尽くしている。幸い、応用トレーニング研究所が近くにあるので、そのデータベースを利用させていただいている。旧東独関係の研究資料を整理編纂する仕事を継続しておられるので、そのおこぼれを頂戴している。
一つの博士論文が手にはいると、その引用文献をコピーしてエクセルファイルにして、文献集をつくり、そこからさらに、重複をチェックするという具合にしぼりこんでいく。そうすると、複数の文献で引用されている資料がでてくるので、今度はその資料を検索する。という具合にすすめていくのだ。
一様種目毎とか、パフォーマンス要因毎、あるいは、研究分野毎の必須資料のようなリストができあがってきているのだが、これがまたなかなかくせもので、検索に引っかからないものが多い。なぜなんだろうと疑問におもったりするが、そうもいってられないので、一様博士論文、教授資格論文を中心としたリスト・書誌づくりをすこしづづ進め、そこを足場にして、周辺の資料を整理するという段取りですすめている。
研究室の窓の外をゆっくりと川がながれている。それをみながらのスキャニングとリストづくりの作業がつづいている。現状報告というところである。

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2007/11/14

ライプチヒ2007年秋 12

先週の土曜日に初雪がふり、明日も予報では小雪がまうようである。
ザクセン州のBewegte Schuleの取組みについての研究会があり、すこしだけ様子をみせていただいた。身体感覚を取り戻す!という、どこかできいたようなフレーズになるのだろうか!「すべての感覚を駆使した学習環境をつくろう!」というのがそのプロジェクトの狙いだ。教科すべてにわたって、動作豊かな授業構成を行おうという試みで、試行段階から本格的な取組みへとかじを切ろうとしているらしい。
こういう学校教育の問題提起とその解決の提案、という一連の予定調和的思考の流れをみると、わたしはちょっと引っかかってしまう、というのかすこし突っ込みをいれてみたくなってしまうのだ。

「で!?」

すべての感覚を駆使して、そして教科の授業が動作豊かなものになって、どの子も活発に身体を動かすなかで、いろいろな身体的感性を開発しつつ、そして、創造的な知性を育てることができる・・・
いつも、この先の・・・にひっかるのだ。結局、知性の教育がねらいだったのではないか?身体の感性は手段なんだな、それそのものをとぎすますことにはあまり価値づけがされず、知性を育てるという範疇のなかでの手段的な価値のみが強調されるのだ。これだけはいっこうに変わらない。
子供たちの知性がおっこちている、という判断そのもの、そのどこかに間違いはないのか、という反省をする(学力テストをくりかえして、おっこっていることをくりかえし確認して真実だと確認するという意味ではない)時間も手だてもとらずに、いきなり、たいへんだ、もっと知性をあげなくちゃ、というような応急手当はひどい副作用を生むに違いない。知性がおっこちている、さあたいへんだ!というのと、ズボンがおっこちている、さあたいへんだ!というのとどこか違うのかということを、もうすこし、知性がおっこちてしまっているとされている子供たちと考える時間と手だてが必要なのではないか?

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2007/11/08

ライプチヒ2007年秋 11

今日は80歳をむかえられ、お元気な姿のシュナーベル先生にお会いすることができた。四年前にお会いして以来なのだが、白いスニーカーで、お顔の色つやも申し分なく、むしろお若くなられたという印象であった。
泉原さんに通訳をお願いして、主に、コオーディネーションとレギュレーションの術語上の問題と、一般トレーニング理論の意味、とくに、パフォーマンス構造等の、ライプチヒ学派ならでは術語を編み出した背景などをお聴きした。来年に新しいトレーニング科学がでるので、そちらを参照していただきたいということを前おきに、一般トレーニング理論の重要性、個別トレーニング理論との関係、そのなかでもパフォーマンス構造、システムとしてのパフォーマンスなどの点をふれていただいた。70年代の中期にかけて、パフォーマンス構造という用語を提案されたことについては、すでにこのブログでも紹介している。その背景になっているシステム理論や一般システム思考、システム哲学などについても、表面にはでていないが、トレーニング科学の科学哲学的な面で研究をされたようだ。
動作コオーディネーションについては、動作調節過程の可視的な面を強調するときにコオーディネーションをいい、内的な調節(操作制御過程)をいう場合には、レギュレーションというような使い分けが可能である。これはベルンシュタインのいうような、動作の情報生成的な側面を強調する、という考え方につながる、たいへん重要な論議である。ある情報を頭のなかでつくって、それが運動に秩序をあたえるのだ、ということもありうるのであるが、同時に、動作そのものが秩序をつくっていく、情報をつくっていく、頭はそれに対してあまり干渉してはならない、というような論議に道をひらいてくれる。手足は頭や脳の奴隷なのではなくて、手足、そして身体の動作こそが情報生成のリアリティーを補償してくれるのだ、と極端に考えてみることもできるだろう!
来年出版される、トレーニング科学の改訂版、たのしみである!

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2007/11/03

ライプチヒ2007年秋 10

木曜日は、午後からスポーツギムナジュームで、ハルトマン先生の特別講義があった。コレスポで翻訳出版を予定している「Sport verstehen erleben」が教科書として使われており、11学年生(日本では高校二年生)と先生たちにまじって、私たちも講義を聴くことができた。大学入学資格試験(アビチュア)のスポーツ分野の内容にあたるためもあって、将来大学でスポーツを学びたい生徒にとっては、たいへん重要な講義である。ザクセン州では他にもいくつかのスポーツギムナジュームとスポーツコースをもったギムナジュームがあり、来週木曜日と金曜日には、そこのスポーツ教師を対象とした集中講座がある。
ちなみに、ここで使われている教科書の目次を紹介しておこう!

第1部 スポーツ動作学の基礎 C.ハルトマン、G.ゼンフほか
は じ め に
1.社会的観点から見たスポーツ (邦訳版はカット)
2.活動-行為-パフォーマンス: スポーツとスポーツ科学の基本概念
2.1  スポーツにおける活動調節と行為調節
2.2  スポーツ行為における調節水準
2.3  調節水準の構造
2.4  行為を構成する心理要素
2.5  スポーツ種目・スポーツ種目群のパフォーマンス構造と要求構造
2.6  スポーツパフォーマンス - パフォーマンス前提
3.個人別パフォーマンス前提
3.1  体 格
3.1.1 概念規定
3.1.2 体格とスポーツパフォーマンス能力
3.2  筋力性能力 
3.2.1 概念規定
3.2.2 筋力性能力の現象形態
3.2.3 骨格筋の構造と機能
3.2.4 筋力と動作
            筋の力学
            筋の機能
3.2.5 筋力性能力の生物学的前提
            筋線維の断面
            筋線維のスペクトル
            筋内コオーディネーション
            筋間コオーディネーション
            エネルギー供給の種類
3.3  持久性能力
3.3.1 概念規定
3.3.2 持久性能力の生物学的前提
             エネルギー獲得プロセス
             炭水化物の分解
             脂質の分解
             スポーツ心臓
3.3.3 持久性能力の現象形態
3.4  スピード能力
3.4.1 概念規定
3.4.2 スピード性の現象形態
             反応スピード
             動作スピード
3.4.3 スピード能力の生物学的な前提
             運動単位の構成と機能
3.5  可動性
3.5.1 概念規定
3.5.2 可動性の生物学的前提
3.5.3 可動性の現象形態
3.6  コオーディネーション能力
3.6.1 各コオーディネーション能力の特性
3.6.2 コオーディネーション能力の意義
3.7  運動スキル
3.7.1 運動学習プロセス(スキルの獲得)
3.7.2 スポーツにおける課題とスキルタイプ
3.8  スポーツ技術
3.8.1 概念規定
3.8.2 スポーツ技術の記載と認識
3.8.3 スポーツ技術の特性
3.8.4 スポーツ技術の発展と開発
3.8.5 スポーツ技術の合目的性にかんする基準
             一般的基準
             トレーニング法上の基準
             力学的基準
             バイオメカニクス的基準

4.運動の発育発達学 
4.1  概念規定
4.2  運動個体発生の部分プロセス
4.3  運動個体発生における各発達位相
4.4  児童期および青少年期
4.4.1 社会学的観点からの年齢特性
4.4.2 心理学的観点からの年齢特性
             比較: 児童・後期-青少年・前期-青少年・後期
4.4.3 生物学的観点からの年齢特性
             比較: 児童・後期-青少年・前期-青少年・後期
             早熟-通常-晩熟
             性差
4.4.4 スポーツ運動学的観点からの年齢特性
             児童・後期
             青少年・前期
             青少年・後期

第2部 トレーニング方法論の基礎 C. ハルトマン、H-J. ミノウほか
5.  パフォーマンス発達と運動学習のプロセスと機能
5.1.情報系およびエネルギー系の両適応プロセスの統合
5.2.エネルギー系適応プロセス
5.2.1.超回復モデル
5.2.2 エネルギー系適応効果のバリエーション
           1.“最適な”回復
           2.“単一”回復
           3.“不完全”回復
5.3  情報系適応プロセスと調節プロセス
5.3.1 情報の受容と処理
            分析器の構造とはたらき方
5.3.2 プログラミングと動作の先取り
5.3.3 目標値と現在値の比較
6.  トレーニング方法の基礎
6.1  トレーニング負荷、負担、パフォーマンス発達の関連性
6.1.1  負荷要因と負担指標
              エクサイサイズ(練習)の種類
              負荷量
              負荷強度
              動作実施の質
              負担の指標
6.1.2  負荷の原則
6.2  トレーニング方法
6.3  長期的パフォーマンス育成
              基礎トレーニング
              育成トレーニング
              移行トレーニング
              トップパフォーマンストレーニング
              適性診断とタレント選抜
              トレーニングユニット
              トレーニングユニットの構成
                導入
                展開
                まとめ
              スポーツ運動テスト
                パフォーマンス診断
                発達診断
                適性診断
                客観性
                信頼性
                妥当性

7.  運動能力育成の方法論
7.1  筋力性能力の発達
7.1.1  筋力トレーニングの目的と方法
7.1.2  最大筋力の向上
               筋肥大トレーニング
               IKトレーニング
7.1.3  一般的筋力持久性能力の向上
7.1.4  筋力トレーニングの組織化形態
              ステーショントレーニング
              サーキットトレーニング
              試合専門筋力性能力の発達
              試合特有の瞬発性筋力トレーニング
              試合特有の筋力持久性トレーニング
              筋力トレーニングの内容的-時間的配列
              成果のコントロール法
7.2.持久性能力の発達
7.2.1  持久性能力の目的
7.2.2  基礎持久性能力の発達
              エクササイズ
7.2.   3    試合特有の持久性能力の発達
               エクササイズ
              負荷量と負荷強度
7.2.4.持久性トレーニングの方法
               持続法
               インターバル法
               反復法
7.2.5  成果のコントロール法
7.3  スピード能力の育成
7.3.1  スピードトレーニングの目的
7.3.2  反応スピードの向上
               単一反応スピードの向上
               選択反応スピードの向上
7.3.3  動作スピードの向上
               周期的動作スピードの向上
               非周期的動作スピードの向上
7.3.4  成果のコントロール法
7.4  可動性の発達
7.4.1  可動性トレーニングの目的
7.4.2  可動性の最適な発達のための前提
7.4.3  トレーニング法
7.4.4  成果のコントロール法
7.5  コオーディネーション能力の育成
7.5.1  コオーディネーショントレーニングの目的とその役割
7.5.2  コオーディネーション能力の育成指導における基本原則
7.5.3  コオーディネーション難易度を上げるための方法
7.5.4  コオーディネーション能力の育成順序
7.5.5  予測能力の向上について
7.5.6  長期的パフォーマンス育成の各段階におけるコオーディネーショントレーニングに関するアドバイス
               基礎トレーニング期
               育成トレーニング期
               移行トレーニング期/トップパフォーマンストレーニング期
7.5.7  学校スポーツにおけるコオーディネーション改善のための段階別重点
7.5.8  成果のコントロール法

8.  スポーツ技術スキルの育成法
8.1  運動学習の位相
            第一学習相; 粗形式の獲得と形成
            第二学習相; 精密形式の形成
            第三学習相; 精密形式の安定化および多様な自在処理能力の形成
8.2.学習相における動作実施と動作イメージおよび行動調節の質について
8.3.運動学習プロセスの指導法(アルゴリズム)
 1.習得; 学習前提とパフォーマンス前提の創出
 2.完成化; 学習前提とパフォーマンス前提の改善
 3.安定化; 学習前提とパフォーマンス前提の最適化
8.4.運動学習プロセスにおける基本的指導法
              演出/受容
              課題提示/解決
              修得練習
8.4.1  教授・学習の方法: 演繹法と帰納法
8.4.2  全習法と分習法
8.5  成果のコントロール法
8.6  情報構成の最適化
8.6.1  行為に有意義な、最適な動作調節に導く情報
8.6.2  有効な情報構成の形式
8.7  運動学習プロセスにおける心理調節法
8.7.1  状態調節、動因調節、動作調節の一体性について
8.7.2  状態と動因および動作を最適化する手法
               1.サイコマッスルトレーニング(PMT)
               2.状態調節のためのリラクゼーション音楽と活性音楽
               3.学習への構えを高める自己動機付け(動因)
               4.イメージ運動トレーニング
8.7.3  スポーツ授業やトレーニングにおける心理調節の活用
               Ⅰ.心的ウォームアップ
               Ⅱ.学習・練習相
               Ⅲ.休息の内容構成
               Ⅳ.メンタル的な復習
8.8  スポーツ動作の分析(動作分析)
8.8.1  スポーツ動作経過の観察可能なメルクマール
               形態学的な考察法
               動作構造
               準備相
               主相
               終相
               動作リズム
               行動調節の現象形式
8.8.2  コオーディネーション面の弱点を把握するための動作メルクマールの活用
8.8.3  スポーツ動作経過の計測可能な動作メルクマール
              運動学的メルクマールの測定
              動力学的メルクマールの測定

9.  試合と試合調整
9.1  スポーツ競技試合の特徴と機能
               スポーツ競技試合の特徴
               スポーツ競技試合の機能
9.2.試合というスポーツ活動の特徴
9.3.試合調整の構成法
9.4.メンタル的試合調整
9.4.1  試合直前におけるメンタル調整の重点
9.4.2  メンタル的試合調整の手段、方法、構成
              要求分析
              心理調節のテクニックとメンタルトレーニング法
              メンタル行動プランの活用
              試合近似の心理トレーニング

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